キベラスラム、ナイロビの中心街からそう遠くないところにそのスラムはあります。
こちらのスラムの人口は250万人と言われているものの、出生証明がない人もいるのでそれ以上の人口が住んでいると言われています。
彼らの月収は$30-70。つまり1日1ドルで生きている人もいるんだそう。アフリカに旅行に来た目的の一つがこちらのスラムを実際に見ること。ただしスラムということは貧困からくる窃盗などが多く治安も悪いという話も聞いており、今回はガイドをつけるべくKevins Kibera Slum Toursというこちらのツアーに参加してきました。
皆さんもスラムに行く際はちゃんとガイドをつける方が良いかと思います!
キベラスラムツアーと街の様子
今回参加したツアーのガイド、ケビンはキベラスラムで生まれ育った人。ツアー代金もさることながらツアー参加者から寄付を募りコミュニティを良くするため活動しています。
まず目を引くのは錆びたトタンでできた家。
錆びた茶色の色にちなんでチョコレートシティと言われているんだそう。
チョコレートシティと名前は可愛いけど、実際は私の想像以上の厳しい暮らしをしていました。
街はもちろんゴミだらけ。
舗装された道もあるものの、それはマーケットが集まる大通りだけで、個人の家まで行くための道路はもちろん舗装なんかされてません。さらにひどいことに、個人の家に行くまでの道に下水の水が流れこんでしまっており衛生的にも良くないし、足元もぐちゃぐちゃ。下水なんて整備されてないし、日本みたいに側溝が整備されてないので雨が降ると下水の水がさらに歩道に溢れて酷いことになるんだそう。たびたびケビンがそこは気をつけて、と声をかけてくれるほど。。
こちらが側溝がない道。
ガイドケビンは観光者からの寄付を使いコンクリートの階段や側溝の整備などを行なっていることを教えてくれました。
これがケビンの作った側溝。これがあるのとないのでは全然違うんだそう。写真で見ても一目瞭然ですよね。
ツアーではまず街の概要を教えてくれ、街を歩いてまわります。街のみんなはケビンを知っているので襲ってくる人もおらず安心。ただ前述の通り道の状態が悪いため、ここはこの石を使ってこう渡ってね、だとかここトタンがあるから頭上に注意してね、だとか足元だけでなく頭上も気にしながら歩く必要があります。
信じられないことにこれが彼らの当たり前で、街の人たちは子供を含めて普通の顔でまちを歩いているのです。
ケビンのツアーでは、自分の家及び母親の住む実家を見せてくれました。
ケビンの実家では母親がお茶をもてなしてくれようとしてましたがお腹こわす可能性もあるのでやんわりお断り。
テレビ、電気はありますがトイレ、洗濯機は無し。ガスはガスボンベで供給しているようでした。
母親はスラムから車で8時間のところにある湖で取れた小魚を売り捌く仕事をしているんだそう。
思わず、こんな状況はフェアじゃない!と漏らしてしまったのですが、ケビンのお母さんは悲しそうに苦笑い。そんなこと私たち日本人のような比較的裕福な国の人間が言うことではないのに。
ケビンの家はトタンではなく石で出来ており、比較的余裕ある生活をしてそうでしたがそれでもスラムに住んでいる状況は変わらず。やっぱりトイレはありません。トイレに行くときは近くの学校にあるトイレを借りるそうで、下水まみれの道を歩いて行く必要がある状況。
スラム街の教育
ケビンのトイレも兼ねてる学校はツアーで訪問しましたが、孤児院も兼ねた子供たちの学校です。
ケニアの教育システムは8-4-4年の教育システムで8年は政府からの支援を受けられる義務教育。
しかしこの学校では孤児院を兼ねていて、中には出生証明がない子供たちもいるため政府のサポートを受けられる基準に達せず私立で運営をしているそうです。
子供の数は100人ちょい。うち半分以上は親がいなかったり、家庭暴力から逃れてきた子供だったり、結婚してない若い子の子供だったりするためこの学校で生活してるんだそう。
中には親に虐待されて腕が折れて、その後病院にも行けず変な方向にくっついてしまった腕を放置している子もいました。
そんな状況とは裏腹に、子供たちは外人の私をみるなりHi!と元気に声をかけてくれ、写真を撮ろうとしたら自分も撮って撮ってとたくさんの子供が集まってくる状況。
ここで学べて嬉しい!と目をキラキラさせてました。外の世界知らない無垢な子供達にの笑顔を見てなんとも言えない気持ちにさせられます。
とはいえ日本のように清潔で新品の教科書やランドセルがあるわけではなく、教科書は使いまわしててシワシワでした。
学校のトイレは地面に穴が空いてるだけのトイレ。排泄物はそのまま地面に垂れ流し。どこに行くのかは見えませんでしたが、きっと道をそのまま流れる下水の一部になるのでしょう。
学校を出て少し街を歩くと川らしいものはゴミ溜めと化し、その上をなぜか羊が歩いている状況。川にかかった橋は木を繋いだだけの簡易なもの。
日本だったは子供がつまずいてこけて川に落ちたらどうするんだ、どうにかしてくれ!とクレームを受けるような橋です。
道であった野良猫はみんな痩せこけてました。
上記のような状況の描写や、映画やテレビの中の出来事が信じられなくて、多分文章だけだと”盛りすぎでしょ”と感じられるかもしれない。でも現実。
それくらい実際は強烈であり、自分の目で現状を見たときの衝撃は文章を読むより何十倍も大きなものでした。
キベラスラムのお土産とは
さて、その他スラムで作られてるお土産屋さんにも連れて行ってもらいました。
ここではブッチャー(肉屋)から引き取った骨を加工してアクセサリーや栓抜きなどを作っています。以前はこの工場と売り場は別だったようですが、線路の新設工事により政府にコンクリートの壁を作られてしまいそれができなくなったんだそう。
ここのすでにお土産を買ってしまっていたのでアクセサリーは買えなかったのですが、店員さんはそれでもいいよ、ここの現状をみんなに伝えてもらえることも嬉しい。と言ってくれました。Kevinのツアーに参加すると連れて行ってくれます。
余談
そんなKevinの日本人に対する評価は残念ながら低いものでした。理由はTripAdvisorの評価にPoorレビューをつけた日本人がいるから。口コミとは個人の判断なのでしょうがないとは思うのですが、Poor評価をつけた理由が”寄付をやたらねだるので”との理由。
彼、Kevinが観光客に寄付をお願いするのはこのツアーに参加すれば一目瞭然。それ以外、彼がスラムのための資金を作るソースはないのだから。
ちなみに彼は私に高評価の依頼は一度たりともしてきていません。
英語が上手くない女性だったそうなので、英語のミスコミュニケーションもあったのかも。実際彼が英語で説明したことも理解していなかったのかもしれませんね。
人それぞれ色々考えの違いはあり、言葉の受け取り方や感じ方も違うため理解できる部分もありますが、彼のツアーのランキングがこのPoorレビューにより影響を受け他の参加者が減ることを悲しんでいました。投稿しているこのレビュアーさんはとある有名インフルエンサー。気になる方はTripAdvisorから日本語で書かれたレビューを探してみてください。
とりあえず日本人の汚名挽回するため悪用されても痛くないだけの寄付をしてきました。多くの人がこの投稿を見てケビンのツアーに参加し、日本人の評価を高めていただければ嬉しいです。
実際目で見て、その状況の酷さを実感しないと寄付までは行かないかもしれません。また今日初めて会ったKevin本人のpaypalに寄付するのももちろんリスクはあります。
とはいえ、彼は自身のプロジェクトの進捗を逐一報告すると約束してくれましたし、学校側は会社のアカウントがあるのでもしこの投稿をみて寄付に興味がある方は以下ご参考ください。
こちらは孤児院も兼ねている学校の銀行口座。
以上、2021年8月時点での情報ですので実際に振り込む際は最新の情報をご確認くださいね。Fecebookに彼らの学校のHPがあります。
以下ケビンのツアーの詳細です。ツアーの予約も詳細から是非。
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