上高地。小さい頃に来て以来、一度も近づく機会のなかったこの場所。今年コロナ禍で海外に行きにくくなったことで上高地に来たのですが、本当によかったのでレポします!

上高地とそのイメージ
観光客の年齢層は平均40-50代(筆者肌感覚)。昼のレストランで隣に座ってた大学生が、本当に老人しかいないんだけどーと嘆いてましたが、確かに歳を取ってから楽しめる観光地。そういうイメージしか私もありませんでした。(しかし、老人。って失礼な表現をする大学生である。。苦笑。)。
また東京からだとあまりアクセスが良くなく、結局新幹線で京都や大阪に行く方が近かったりしてあまり目を向けてなかったのも事実。
しかし上高地は特別名勝、特別天然記念物二つのタイトルを持つのは国内で黒部峡谷とここだけという貴重な場所。
マイカー規制もしており、ゴミもなく、環境保全の意識の高い標高1500mmのこの場所。穂高連峰という漫画岳にも出てきた素晴らしい山々に囲まれており多くの登山者の拠点ともなってます。
上高地の行き方、一番有効に時間を使えるのは?
車、電車など色々行き方はあるのですが(こちらのリンク参照。)、私が選んだのはまさかの夜行バス。夜行バスなんて大学生の時に乗って以来でめちゃくちゃ抵抗ある。でもよく調べたらたくさんの利点がありさわやか信州号を利用しました。
夜行バスってぶっちゃけどうなの?
アクセスとしてはいくつかあるものの、登山もしたかった私にとって一番時間を有効に使えそうだったのが夜行バス。22:30頃に新宿バスターミナルを出て翌日5時台に上高地に到着します。
こちらの写真は行きターミナルのものです。

バスには発車前10分前くらいから乗車できますが、その前にバスターミナルに併設するファミマで朝ごはんを買い込みます。上高地に着く時間は早朝5時台。もちろんコンビニなんてないのでここでの食料調達は必須。
ただし、一応夜行バスでも途中トイレ休憩でサービスエリアに止まるのでそこで買えるのかもしれません。(私は眠すぎて起きれなかったのでいずれにせよ何かを買うのは無理でしたが)。
バスはスタンダードの方。グリーン車も選択肢にありましたがこちらは予約時から満席。当日でもチケットは買えますが、予約した方がベターかと思います。
スタンダードシートの車でしたがラッキーなことに隣がいなかったので二席繋げてゴロリ。バス内には一応トイレも付いているようでした。年齢層は本当にさまざま。20−60代までとバラバラ。夜行バスは直通だし、一番時間を有効に使える手段でもあるので、バスの中でも問題なく寝れますよという人にはおすすめ。
登山をする私は中の湯でおりましたが、上高地に行くのであればその前大正池、帝国ホテル前を通過し、終点上高地バスターミナルまで乗っていきます。河童橋まではそこから徒歩ほんの数分。

憧れの上高地、まずは王道河童橋へ
朝の上高地は午前5時を過ぎると夜行バス組が到着するので一気に人が増えます。またまだ日が出てまもないので少し肌寒い。
もちろん、一番人気の河童橋で写真を撮るのをお忘れなく。芥川氏の『河童』の舞台でもあります。朝静かな時に撮り逃した人は夕方にもチャンスあり。帰りのバスが15時台が多いのでその後、人がガッツリ減る。

ここからは明神岳、穂高連峰、焼岳が見えるほか逆サイドは活火山の焼岳が望めます。


またトイレはチップ制ながら至る所にあるので便利。比較的綺麗です。
また上高地の美味しい水が汲み放題の水場まであって、ほんと至れりつくせり。

上高地で出来ること
実は結構限られてます。
逆に都会にないシンプルな活動になるのが嬉しい。
それは自然を肌から、目から、全身で、楽しむこと。
梓川の冷たい水に足をつけてもよし、穂高連峰をバックにひたすら写真を撮るでもよし。キャンプ場にてテントを構えるでもよし。外来温泉にてあったまるもよし。有名ホテルにてカフェをするという手もあります。
でもせっかくなら朝の人が少ない時間を利用して大正池や明神池までの片道1時間の散歩をすることをおすすめします。
大正池方面は田代池もあり、かつ大正池まで行けばバスで帰って来れるので比較的時間がない人におすすめ。人気のコースなので多くの人がトレッキングを楽しんでいます。

明神池へのトレッキング
河童橋から(超ざっくり)穂高連峰サイドに位置する明神池は穂高神社の境内ということもあり参拝料はかかりますが(五百円)、なんとも神秘的な感じが堪らないです。
それもそのはず。明神池は鏡池や神池などとも呼ばれているのだから神秘的でないはずがない。
一の池、二の池があり一の池からの景色は絶景。山を信仰してきたというのが伝わる場所です。


また道中、日本近代登山の父、ウォルター・ウェストンの山案内人であった上條嘉門次さんが開いた小屋があり新鮮なイワナ料理が食べれます。私が行った時はもう満席でした。

明神池へ行くルートはいくつかありますが私は五千尺ホテルの目の前を横切り、キャンプ場を超え明神まで向かいました。ここのルートは明神橋やキャンプ場、明神館などポツポツ見所や休憩所がありおすすめ。

帰りは明神池川から岳沢湿原に抜けるルートを選択。こちらはやや起伏があるイメージ。

大正池までのトレッキング
一方大正池までのルートは梓川ルートと林間コースがあります。私は林間コースから行きましたが数週間前に熊が出たとか。少し怖く熊鈴も持ってなかったので口笛吹きつつ歩きましたが、意外と人もいて口笛吹いてた自分が恥ずかしかったです。。
田代池はこんな感じで行けというよりやや川の一部という感じ。でも水の色がなんとも不思議で大正池よりも好みでイエローストーン国立公園を思い出しました。

そのあと少し進むと大正池へ。

過去焼岳が噴火した際に梓川が堰き止められて作られた湖。昔はそこに存在しなかったのが嘘かのよう。一方湖には枯れた木が何本か立っててそこがかつて森だったことを伺わせるものでもあります。
前日の登山で疲れた私は帰りはバスに乗車。上高地バスターミナルまで430円。料金はバス車内ではなくバスターミナルで支払うパターンでした。1時間もかかった大正池がほんの10分くらい車の位置なんですよね。逆にその不便さがよかったりもします。
ランチはもちろん山賊焼
さて上高地に戻ったらお昼時。私は五千尺ホテルの宿泊者だったので宿泊時にもらえる5%offクーポンを活用すべく五千尺レストランへ。
一番人気という山賊焼き定食をオーダー。食券制で席を確保してから頼みます。お水かお茶はセルフ。タルタルソースも追加しちゃいます。

山賊焼は信州の鳥の唐揚げみたいなものなのですが、揚げ具合がサクサクでいい意味で期待を裏切られた感じ。ホテルのシェフ監修ということもあり味付けも少しニンニクの効いた絶妙なもの。
揚げ物を完食するまでの胃はアラフォーの私は持ち合わせてなかったのですが、食べれるなら全部食べたかった。。タルタルも意外とさっぱり。タルタルは一階のお土産屋さんで販売してます。
五千尺ホテルという贅沢
ここはなんと大正7年から始まってる歴史の長いホテル。FIVESENSEという上高地常駐のガイドもこちらのホテルより予約できます。何と言ってもそのアクセスが素晴らしい。各店が揃っている河童橋と目と鼻の先。バスターミナルにも近いので荷物を預けてトレッキングまで行けてしまいます。
午後3時チェックインですが、少し早めに着いたので早めに部屋に入れてもらえました。しかし大浴場は3時からなので、シャワーを浴びたい場合部屋のシャワーを使うこととなります。
私が宿泊したのは3Fのバルコニー付き、梓川が見えるお部屋。窓を開けなくても川の流れる音が聞こえる贅沢なお部屋。

バルコニーでビール飲みたいな、と思いビールを買いに行こうとしたら、なんとお部屋に設置した冷蔵庫の中にビールがあるではないですか。しかも部屋にある飲み物は全て無料というサービスの高さ。

お風呂上がりにプシュ。登山後で疲労マックスだったのでビールを飲んで仮眠。

夕食は6時、6時半、7時のお時間が選べます。フレンチのコース料理。上高地という正直アクセスの良くないこの場所でここまでの品質のフレンチはなかなか食べれない。味に感動してシェフのことも調べてしまったほど。比較的外食が多く食にはややうるさい私。星付きのレストランに引けを取らない味、むしろその上を行くかもと思ってしまったくらい。

またパンにつけるバターが自家製燻製バターでこれが美味しいのなんの。同じように美味しいと思った人は多かったらしくそこら中からこのバターどこで買えますか?とウエイターに質問している声が聞こえるほど。全く同じではないですが日本でもいくつかそれらしいものが買えるようですね。
以下楽天で近いもの、見つけちゃいました。
お風呂は温泉ではないのですが、掃除の行き届いた大浴場。とはいえコロナ感染対策もあり4人以上が使用している場合は時間をずらすよう指示されました。
それくらいの規模のお風呂なのでそこまで大きくはありませんがアメニティも揃ってて満足度は高いです。

ちなみに基本私はいきたい日を決めてから一休を使って空いているホテルを一括検索、ランキングや口コミを比較してホテルを選びます。今回も一休で探し当てて予約。
FIVESENSE (ガイドツアー)
私が参加したのは早朝コース。朝6-7時の朝もやの残る時間にスタートするもの。岳沢湿原までのルートをバードウォッチしながら案内してもらいました。ガイドのさくらさんは何を聞いても明確な答えを返してくれるベテランガイドさん。鳥のことはもちろん、上高地の地形や熊のこと、何を聞いても答えられるってすごい。なんと本まで書いてるそうで本はホテルでも販売していました。

ちなみに夜8時半から星空ガイドツアーにも申し込んでみましたが、あいにくの曇り。晴れであればバスターミナルにシートを引いて寝転がりながら星を見れたそう。曇りでも別プログラムがあるそうですが、今回はキャンセルとさせていただきました。キャンセル料かからないのが嬉しいところ。
おまけ
実は時間があったので、毎日15時からビジターセンターで開催されている熊対策レクチャーに参加してみました。
北海道以外で見られる熊はひとまわり以上小さいツキノワグマだって知ってましたか? また一頭のクマの体重が一年で40−120kgほど増減されること、熊にあったときの対策などなど、知っているようで知らない熊の習性を知るのってかなり面白い。しかもなんとこれ、参加費無料。熊って雑食で蟻なんかも食べたり、木のみを食べたとき熊棚という枝の座布団を作るので、熊棚がクマがいたことを知らせるシグナルになったり。色々興味深いのです。元々はこちらキャンプ場に宿泊する人向けのレクチャーらしく、過去熊による人身事故もあったそう。冬眠から目覚めた熊は常にお腹を空かせており、人間の食糧の匂いに釣られてキャンプ場でテントを荒らすこともあるとか。上高地のキャンプ場では食糧は別保管させられるんだそう。

最後に
都会と比べるとどうしてもどのホテルも古さは目立つものの、逆にそれが上高地のいいところ。古き良きサービスと最高級の自然がそれをカバーしてくれます。自然だけではなく、フレンチ料理とガイドツアーも楽しめるここ五千尺ホテルはまた来たいと思えるホテルでした。もちろん夜行バス代含めて今回の旅行代のお値段はそこそこ張りますが、満足感高く東京に戻ってこれを書いてる今喪失感に襲われているほど。。
大人になると自然やシンプルな生活が贅沢と感じますよね。ここではホテルステイを楽しみ自然の中をトレッキングすることで心が洗われ大人の上質な時間が過ごせますよ。
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