5月頭、ニューヨークのミシュランガイド2021年が発表され7つの店舗が今回新たに星を獲得しました。
そのうちの2つがなんと韓国料理。今回追加された2店舗はKochiとJuaというお店です。この2店舗はキムチやビビンバのようなコテコテの韓国料理とは少し違った新しい韓国料理であり、ここニューヨークではこのようなモダンコリアンが注目されています。アジア料理ということで私たち日本人にとって口に合うものも多く、さらに見た目でも楽しめるこれらのレストランがマイブーム。そもそも日本だと見た目が赤くない韓国料理ってなかなか出会わないですよね。笑
コリアンとはいえ辛くない料理が多いので、辛いのが苦手な方にも楽しんでいただけます。
ニューヨークミシュランガイド2021年についての記事はこちら。 世界中のシェフが集まる街、ニューヨーク。 ニューヨークは英語圏で最もミシュラン星つきレストランが多い街で、毎年新しいレストランができては消え、できては消えを繰り返しています。そんな食の街だからこそニューヨークに来てからレストラン巡りが趣味になった、という人も多いですよね。私ももちろんその一人です。 ブロードウェイとレス ... 続きを見る
ニューヨーク 新たに7つのレストランがミシュランの星を獲得
早速この2店舗、行ってきたのでレポートしたいと思います。
Kochi
多国籍料理が集まるHell's Kitchen、その一角にKochiはあります。シェフのSungchul Shim氏は2005年にNYに渡り、ミシュラン3つ星を獲得している有名フレンチレストランPer Seなどで働き、直近はNetaという日本食レストランでシェフをされていました。2019年11月にKochiをスタートし、コロナ禍でもきちんと評価され約2年でミシュランの星を獲得しています。Kochiは串料理がメインで、現在7品目のコースと10品目のコースの2種類を展開し、お値段は85ドルと125ドルで手の届きやすい値段設定になっています。今回試してみたのは10品目のコース。キャビアやウニ、黒トリュフなどの食材がふんだんに使われていました。印象に残った料理は上段左から2番目の写真Pine Nut Milkと真ん中右側の写真にあるUrchin Bibimbap。Pine Nut Milkはサクサクのスフレの中にチーズが入っており、その上にキャビア。さらにそれにアスパラガスで作ったソースに浸していただきます。Urchin Bibimbapはラディッシュのサクサク感がたまらない、なのにウニがクリーミーなビビンバ。全然辛くなくさっぱりしています。
Kochi
月曜日定休
火曜日〜日曜日 : 5:00pm から12:00amまで
URL:http://kochinyc.com/
Jua
JuaはFlatiron Districtにある韓国料理屋さんで、ミシュラン2つ星を獲得したレストランJungsikの元シェフHoyoung Kimが独立して作ったお店。フランス料理とアメリカ料理に触発されたモダンコリアンのレストランです。Kochiと同じく2019年にこちらのお店を創業し、2年程度でのミシュラン星獲得となっています。こちらは7品目のコース一本勝負でお値段は120ドル。現在午後6時と8時半の2回転で運営中。向こう2週間先の予約のみがとれる予約スタイルとなっています。
本レストランはまき窯で調理された料理を取り扱っており、レストランの奥にはごうごうとした炎に炭がくべられた立派な窯が確認できます。また全体的にサクサクとした食感の料理が多く、味だけではなく歯応えも楽しめるのが素晴らしい。特に個人的に印象深かったプレートはネギトロ巻きのような見た目のCAVIAR KIM(中央上の写真)とJOOKというフォアグラを使った韓国のおかゆ(左中央の写真)。前者はサクサクの海苔、キムチのさっぱり感とキャビアの塩気が最高の一品。一口で食べてくださいとのことでこのキャビアの量を一口で食べる贅沢さといったら・・・。ぜひお店で堪能してみてください。一方JOOKはごまをふんだんに使ったさっぱりなおかゆ。とはいえフォワグラも使っているのでクリーミーさも残っており、複雑な味。またほうれん草を使っているのでシャキシャキ食感もたまらない。
Jua
月曜日定休
火曜日〜日曜日 : 5:30pm から11:00pmまで
URL:https://juanyc.com/
ミシュランの韓国料理の顔ぶれ
ニューヨークでのミシュラン星付き韓国料理は以下です。
2 Stars
Atomix - モダンコリアン。なかなか予約が取れないことで有名。カード型のメニューが渡され、そのカード一つ一つに器や料理の説明が書いてあるユニークなスタイル。料理にはウニなど日本の海でとれる食材も使用しており店員さんもとてもフレンドリー。
Jungsik - フランス料理やスペイン料理に影響を受けたモダンコリアン。一つ一つの料理が一口サイズで提供され、見た目も食べても印象的。
1 Stars
Cote - 韓国系焼肉屋。アウトドアでも鉄板を置いて目の前でお肉を焼くことができます。
Jeju Noodle Bar - noodleも置いてあるモダンな韓国料理屋さん。
Kochi、Jua - 上記の記事をご参照くださいね。
その他、お勧め韓国料理
多くの移民が集まるNYCには本格的な韓国料理、フュージョン系、カジュアル系など多くの韓国レストランが存在します。以下ミシュランの星は獲得していませんが、私が実際に行ったことあるレストランでお勧めなお店のみ抜粋して紹介します。
Her name is Han- 比較的コテコテの韓国料理からモダンコリアンまで比較的色々楽しめるカジュアルレストラン。
Atoboy - Atomixのシェフが展開するモダンコリアンのカジュアルバージョン。75ドルのPre fixメニューを提供。
BCD Tofu House - 純豆腐専門店。韓国料理といえばオーダーする料理以外に沢山のおかずが来ることが多いですが、ここもその一つ。このおかずだけでも大満足。コスパ最高、大人数でワイワイとご飯を囲みたい時に。
Yoon-nyc - おしゃれ系焼肉屋。店員さんが焼いてくれて質も雰囲気も良しのバランス型。カジュアルすぎずでも高級すぎないお店。仲の良いお客様との接待やデートでも使えそう。
Momofuku ssam bar - momofuku系列の韓国料理屋さん。店の名前にもあるとおりポッサムというレタスの中に具材を入れて巻いて食べる韓国料理が美味。何度でも食べたくなる。ぜひ大人数で!
Jongro BBQ - NYのコリアンタウンで韓国人が並んでいるお店といえばこの韓国系焼肉店。ちなみにこちらの記事によると日本のBBQと韓国BBQの違いは日本のBBQがお肉そのものの味を楽しむBBQに対し、韓国系はマリネした肉を楽しむことが多いBBQであると書かれています。
フュージョン系アジアン料理について思うこと
日本料理でNYのミシュラン星付きレストランは寿司、懐石料理、天ぷらの3種類のみ。それに対しNYのミシュラン星付きコリアンレストランは欧州系とのFusionであるモダンが星を獲得しているお店が多い印象があります。日本食は寿司のように一品が確立されすぎていることもあってか、Fusionがされにくいのでしょうか。個人的にはPeru x JapaneseのLlama Sunに対する注目度の上昇、American x SushiのSushi of Gariのようなお店にまた星がついて欲しいな、ともこっそり思っています(Sushi of gariは過去ミシュラン星を獲得していました)。
現在COVID19の影響でキャパシティを制限しているレストランが多いですが、7月1日より完全Reopenであることがデブラシオ市長より伝えられています。どんどん予約ができるようになりかつアウトドアでの飲食も楽しくなってくる季節。参考にしていただけたら幸いです。