New York

【2021年版】LGBTQの歴史とプライドイベントについて

LGBTQを象徴するレインボーの旗

LGBTQはレズビアン、ゲイ、両性愛、トランスジェンダー、そのどちらでもない(Quaestioning)の総称で、今では当たり前のようにニューヨークでは受け入れられています。

今では毎年6月はプライド月間、また6月最後の週末の日曜日をPride Dayとして祝う、という習慣がありますが、今から50年ほど前まではそんな状況ではありませんでした。

プライド月間の起源

ことのきっかけは1969年6月28日にStonewall Innと呼ばれるニューヨークのゲイバーで起こった暴動から。

Stonewall Innもゲイバーで当時違法でしたが、警察に賄賂を渡して見逃してもらっていたそう。この暴動があった日は通常なら賄賂を渡して終わりとなるところ、このゲイバーを取り締まるために覆面警察がバーに忍び込んでいた矢先に事件は起こりました。警察に補導されたとある女性の"Why don't you guys do something?"という言葉がきっかけで鬱憤が溜まったマイノリティ達が警察に対して暴動を起こしたのです。

その暴動が起こる以前、同性愛者というだけで警察や人々から侮辱され、好きな人とも道端で手を繋ぐこともできず、さらにひどいことに同性愛者が三人以上集まるのは違法だと見られていた過去があります。ゲイの方は今までマイノリティとして肩身狭い思いをしてきたからこそ、本当の自分をさらけ出せるこのバーで警察や世の中に対する鬱憤をはらしたのでしょう。

以下の引用はこの暴動が起こる前のマイノリティの方のコメントです。Stonewall Innに行けば本当の自分を曝け出せるから、Stonewall Innに行くんだ。と。

Whether it was cold or hot, we’d go into the Stonewall. The reason was pretty simple: If you were on the street, you might be harassed. You might be harassed by police or you might be harassed by people wanting to come down and scream at the faggots. You couldn’t be yourself. You’d try not to show any affection to someone. You couldn’t hold hands, even on Christopher Street. You couldn’t hug somebody. If more than three people congregated, the police would come and break you up because it was illegal for homosexuals to congregate. So, when you entered the Stonewall, you were able to be yourself. 

Time Out - Mark Segal

この暴動をきっかけに、現在まで続くLGBTQ運動を広めるためのマーチが始まります。

ニューヨークの観光地、Stonewall Inn

現在も震源地となったStonewall Innはニューヨークに存在し、ライブイベントなどを行なっています。

StoneWall Inn
工事中で建設器具が付いているのが残念だが、こちらがStonewall Inn
Stonewall Inn
営業時間:
月〜金: 2PM-4AM
土日: 1PM-4AM
住所:53 Christopher Street, New York, New York
HP:https://thestonewallinnnyc.com/

こちらの建物の正面、道路挟んで向かい側には小さめの公園があります。ちょっと地味でもありますがここにあるモニュメント、実は国立記念碑に登録されています。

ストーンウォール国立記念碑
HP:https://www.nps.gov/ston/index.htm

地図はこちら:

その後も続く、LGBTQへの社会からの圧力

Stonewall Innの暴動が起こった後からプライドマーチが始まりますが、始まった後も差別は続きます。AIDSは当時GRIDと呼ばれ、Gay Related Immune Deficiency(ゲイ関連免疫不全)と呼ばれていて政府ですらこれに対処するのに時間がかかりました。

同性婚が許可されたのも比較的最近。今では全ての州が同性婚を許可していますが、2003年に初めてマサチューセッツ州が許可するまではそれも受け入れられていませんでした。日本ですらまだ許可していません。

こちらのYoutubeがLGBTQの歴史を簡単にまとめていてわかりやすいです。

プライドパレード

プライドパレードは多くの企業が協賛し、レインボーに包まれたカラフルなコスチュームで街を行進する1日です。
昨年はCOVID19によりパレードも中止となってしまいましたが、今年も基本は27日にオンラインにて実施されるほか、ローカルビジネスが提供するインドアでのアクティビティやポップアップイベントに置き換わるようです。

プライドパレード
2019年のプライドパレードの様子

調べた限り、実際にその場に出向いて賑やかさを体験できそうなイベントは主に以下の2種類かと思われます。

The March Pop-ups

2021年6月26日-2021年6月27日:以下の地図の場所にある LGBTQIA+ communityをサポートする企業が特別なオファーを提供したり、デコレーションを展示したりするそうです。

Pride Fest

またPride Festとして食べ物、DJブース、ワクチンサイトなど予定されているそう。こちらは2021年6月27日(日)、午前11時から午後6時まで。

Pride Fest 2021
ブロードキャスト

その他ライブパフォーマンスや著名人のインタビューはABC-7にて27日12:00pmから3:00pmまでライブストリームされるそうです。

詳細はこちらのサイトをご覧ください。

終わりに

ニューヨークの良いところは、このような社会問題を楽しいイベントに置き換えて社会に自然に溶け込ませようとするポジティブな態度にあると思っています。

もちろん根っこにある信条はそう簡単には変わらないかもしれませんが、1969年前は違法だったゲイバーが現在は社会に受け入れられ、2003年には同性婚が認められる社会になったアメリカ。この例を見て、日本でも例えば社会問題である韓国とのいざこざなどどうしてもタブー視して隠そうとするスタンスを、もっとポジティブな楽しいイベントにするのは良いアイディアなのではないかなぁと思っています。

例えば、新大久保を歩行者天国にして韓国料理を振る舞ったりKpopミュージシャンを呼んだり、パラサイト家族などの映画を流したりしたら面白そう。

話は変わりますが、NYCの韓国料理はモダンで素敵なところが多いです。

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